現在、日本中が夢中になっているラグビーワールドカップ。
その盛り上がりに一役買ったと思われるのが、ドラマ「ノーサイドゲーム」。
ラグビーの魅力を分かりやすく、丁寧に伝えてくれたのではないでしょうか。
ドラマ”ノーサイドゲーム”最終回のあらすじ(ネタバレあり)
最終回は、今まで慕っていた上司である脇坂に裏切られ、ラグビー部の存続が危ぶまれる、というところからスタートしました。
これまでもピンチは乗り越えてきた君嶋GMとラグビー部の面々ですが、今回ばかりは突破口が見つけられるのか不安な出だしです。
キーとなるのは、アストロズも所属する日本蹴球協会の改革です。
君嶋が目指すのは、伝統という名にとらわれ、収益を考えない現体制からの脱却。
他チームのGMたちの声も集め、理事である木戸に直訴しますが、状況は変わりません。
廃部を決定する取締役会の開催日が迫る中、君嶋はあることを耳にします。
それは以前、木戸が周囲の反対を押し切ってまでラグビーを誘致した実績でした。
そこで、本当はラグビー界の未来を憂いているのではないかと、木戸の決断に賭けることにします。
取締役会当日、脇坂は予定通り、ラグビー部の廃部を進めようとします。
これまでかと思われたところで、ついに君嶋の反撃が始まりました。
なんと、木戸は頑なに改革を受け付けない会長の富永を追放したのです。
君嶋たちの提案を聞き入れ、未来に向かって新たな組織へと進むことを選びました。
部の収益問題を解決した次には、脇坂自身の悪事も暴きます。
実は、脇坂とカザマ商事の社長は、高校時代からの同級生でした。
滝川より以前から、風間と繋がっていたのです。
脇坂は、会社の不祥事を相談した風間社長に対し、隠蔽を指示。
懸念事項を持たせたままの風間商事を滝川に買収させました。
そして最終的に自らが暴露して滝川を失脚させることで、出世を果たしました。
会議室には風間社長も登場し、言い逃れはもはや不可能な状態に。
君嶋から放たれた「この会社から出ていけ!」の一言に、完全に敗北します。
そうして、無事に廃部を免れたアストロズ。
プラチナリーグの決勝に向け、順調に勝利を重ねていました。
そしてついに、宿敵ともいえるサイクロンズとの一戦に臨みます。
ここで勝利すれば、悲願の優勝。
試合前の円陣では、これまでの苦労や軌跡を一人一人が噛み締めながら、気合を入れます。
最終戦ということもあり、君嶋からも言葉がありました。
それは、かつてはラグビーが嫌いだったこと。
それでも、皆が文字通り命懸けで戦う姿に勇気をもらったこと。
皆のおかげで、今の自分があり、今ではラグビーが大好きになったこと。
「君たちに出逢えて良かった。」の言葉に、涙する部員たち。
部を守った上で、「絶対勝ってくれ。」と願うGMの思いに、奮い立ちます。
いよいよ、試合が始まりました。
観客席には、君嶋を一番近くで見守ってきた真希や息子たちがいます。
社長や社員も姿を見せ、青野も声を張り上げて応援しています。
滝川や行きつけの居酒屋の女将も、テレビ越しに見守ります。
しかし、開始早々からサイクロンズが優勢に。
移籍した里村にことごとく動きを読まれてしまいます。
トラウマを克服した七尾も封じ込められ、思うように攻撃ができません。
浜畑もベンチでもどかしい思いをする中、劣勢のままで前半が終了します。
ここで、柴門監督がメンバーの変更を告げました。
浜畑の名前が呼ばれます。
自分と交代するのだと覚悟した七尾でしたが、なんと七尾は出るとのこと。
司令塔として期待される、新たなエースである七尾。
そしてチームを精神的にも技術的にも支えてきた浜畑。
この二人を同時に試合に出場させることが、監督の理想だったのです。
そしてこれが、アストロズ勝利への切り札でした。
ピッチに向かう中、浜畑の状態を心配する君嶋。
そこで彼から、驚くべき言葉をかけられます。
実は、浜畑はこの試合を最後に、引退することを決めていました。
怪我が完治していないまま、それでも勝利のために選手生命を賭けて一戦に挑む浜畑。
その悲壮ともいえる決意に、君嶋は言葉が出ません。
「俺も、あなたに出逢えて良かった。」。
そう言って歩いていく浜畑を思わず君嶋は抱きしめました。
当初は反発していた二人の、固く結ばれた絆を思わせる抱擁でした。
後半のピッチに立っても、勝利を導く方法がわからない七尾。
そんな彼に、圧倒的に点数を稼ぐことが唯一の特効薬だと説く浜畑。
そしてそれを実証するため、七尾の蹴りを活かした戦法で、確実に差を詰めていきます。
諦めかけていたチームメイトも観客も、盛り上がりを見せます。
七尾も、司令塔として指示を出す一方で、浜畑の動きを見て得策を考えます。
そして、点差があと1トライで逆転できるまでに迫った終盤。
1プレーでホイッスルが鳴ってしまうという緊迫した状況の中、浜畑にボールが。
強烈なタックルを受けますが、倒れてもなお、気力で立ち上がります。
足を引きずりながらも懸命に走るその目に映ったのは、七尾の姿でした。
この抱えるボールを、どうか逆転へ繋げてくれと願います。
浜畑から投げられたボールを追った七尾。
確かにとらえた足先は、前へと蹴り込み、最後に見事、トライを決めました。
ホイッスルが響き、観客の割れんばかりの歓声が会場を飲み込みます。
君嶋や皆が涙する中、アストロズはついに優勝を掴み取ったのでした。
その後、功績が認められた君嶋は本社へ復帰。
引き続き、本社でアストロズの統括を担います。
一方で、現場では浜畑がGMに就任。
尊敬する君嶋と同様の戦略で、今後もアストロズを支えていくことになりました。
ドラマ”ノーサイドゲーム”最終回の感想
勧善懲悪ともいえる展開と、泥臭くも栄光を掴み取る主人公たちの姿。
毎回、1時間が短く感じて、胸が熱くなったドラマでした。
そして何といっても、主題歌が素晴らしかったです。
ここぞというときに流れる歌声と音楽は、間違いなくドラマを引き立て、視聴者の感動を誘いました。
ラグビー経験者ばかりで構成されたチーム員たちが、興ざめすることのないリアルさをもたらしてくれたことも、多くの人を惹きつけた要因の一つではないでしょうか。
日本では、野球やサッカーと比較して、競技人口が少ないラグビー。
一見して危険そうで、複雑なルールがあり、人々の関心が少なかったことは事実でしょう。
そんな世間に対し、大げさではなく、命を懸けて戦う姿を見せてくれました。
そして、試合が終われば敵味方関係なく健闘を称えあう「ノーサイド」の精神を、分かりやすく伝えてくれました。
ラグビーの奥深さや素晴らしさを教わった気がします。
印象的だったのは、アストロズの決勝戦が終わった後のシーン。
足を引きずる浜畑を、敵であったサイクロンズの選手たちも一緒になって支えていた光景です。
全力を尽くし合い、終われば互いを労わる。
その誠意があるからこそ、ラグビーは情熱をかけるにふさわしいのだと感じました。
個人的に好きだった登場人物は、真希ちゃんこと、君嶋の妻。
鬼嫁と見せかけて、実は君嶋を支え、ラグビーを誰よりも深く勉強していました。
最初はそこまで厳しくしなくても、とも思わせるキャラクターでした。
しかし、回を重ねるにつれ、夫を叱咤激励し、子どもの夢を応援し、決戦となる試合も自腹で観に行く、というその姿勢に感動しました。
新たな良妻賢母像を見た気がしています。
ドラマ”ノーサイドゲーム”の再放送はいつ?
人気作ともいえるドラマだったので、再放送はないのかが気になるところです。
結論からいえば、大いに期待できるのではないでしょうか。
視聴率や主題歌の売り上げから考えても、また観られる可能性は高いと考えられます。
有力な時期としては、まず年末年始が挙げられるでしょう。
各ドラマが終了し、特番などが増えるためです。
この時期はドラマの再放送も多く、まとまった話数を一気に放送することも。
例年おこなわれていることなので、今作も同様かもしれません。
1月にはDVDの発売も予定されているようです。
そのため、宣伝の意味も兼ねて、再放送されても不思議ではありません。
また、土曜や日曜のお昼でも、ドラマの再放送はよくされているもの。
もしかすると、ワールドカップの盛り上がりに拍車をかけられるように、近々放送されるということもあるかもしれませんね。
最近では、SNSでの反響がそのまま世論として扱われることも増えました。
ドラマの制作側が視聴者の反応を敏感に感じ取ることができます。
そのため、また観たい、という声がたくさん上がれば、時期を問わずそれに応えて放送されることもあるかもしれません。
人気作ゆえに、総集編やスピンオフ作品の放送も想像できます。
そうなれば、その放送前に全話が再放送されてもおかしくありません。
まとめ
日曜劇場は、見応えのあるドラマがたくさん放送されるイメージがありました。
今作はまさに、それを裏切らない内容だったと思います。
ラグビーをまったく知らない人でも楽しめて、応援できるドラマでした。
主役がヒーローでもなく、天才でもない、自分たちに身近なサラリーマンだったことで、感情移入がしやすかったのかもしれません。
逆境を乗り越えて皆が絆を深めていくさまは、また次回も観たいと思わせる満足感を与えてくれました。
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