SF映画好きを中心に、今なおカルト的人気を誇る『ブレードランナー』。

2018年にはシリーズの新作として『ブレードランナー2049』が公開されたことから、その人気のほどがうかがえます。

フィリップ・K・ディックのSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を『エイリアン』『グラディエーター』『ハンニバル』『オデッセイ』など、SF映画やサスペンス映画を数多く手がけたリドリー・スコットが監督しています。

本作が公開されるまでは映画における”未来”の描き方やイメージというものは、全体的に白っぽく、クリーンでスタイリッシュなものでした。

しかし、1982年公開『ブレードランナー』では車が空を飛んでいるものの、街には酸性雨が降り続け、ピンクや緑のネオンに輝く、どこかごみごみとした、怪しげで荒廃的な雰囲気の”未来”が描かれています。

その”未来”のイメージは、その後の映画作品や『AKIRA』『攻殻機動隊』などアニメーションやコミックにも大きな影響を与えています。

そんな、もはやSF映画の金字塔となっている『ブレードランナー』の魅力をご紹介いたします!

 

1982年/アメリカ/監督:リドリー・スコット/キャスト:ハリソン・フォード(リック・デッカード) ルトガー・ハウアー(ロイ・バッティ) ショーン・ヤング(レイチェル)

ブレードランナーあらすじ

21世紀初頭、タレイル社は遺伝子工学技術を用いて人造人間”レプリカント”を発明した。

”レプリカント”は優れた体力と知性、そして感情も持ち合わせているのである。

人間には行えない過酷な奴隷的労働や、戦闘に、”レプリカント”は用いられていたが、彼らの一部は人間へ反乱するものが現れだす。

そんな”レプリカント”を見つけ出し、解任する任務を負っているのが警察の専任捜査官「ブレードランナー」であった。

主人公デッカードは、「ブレードランナー」を退任した身であったが、かつての上司に呼び戻され、”レプリカント”の男女4名の捜索を手伝うこととなるー。

ブレードランナー見どころ

日本人なら必ず気になってしまうのが今作で登場する日本やアジアの文化です。

また、今作のメッセージとして外せないのが、人間となんら変わらない見た目を持った”レプリカント”についてです。

そちら2つのポイントを見どころとして紹介します。

日本や中国など、アジアを感じさせる世界観

こちらの画像でもお分かりいただけるように、日本の文化を中心にたくさんのアジアに関するものが登場します。

この舞妓さんのモニターは『強力わかもと』という商品の宣伝で、とても有名なカットとなっています。

何度か登場するので、忘れられないインパクトを受けることでしょう。

また、映画の序盤では、ハリソン・フォードが屋台で食事をするシーンがあります。

その店の従業員は日本語で「2つで十分ですよ~」とハリソン・フォードに対し、やや強気に言い放ちます。

不思議な世界観です。

こんなにも日本の要素を盛り込むのには理由があり、監督のリドリー・スコットが近未来の街をイメージするにあたって、日本で見た歌舞伎町の街並みのインパクトが強く忘れらなかったからだそうです。

日本の印象が、侍・芸者・寿司なんていう時代はもう終わったと考えますが、やはり海外の方の日本へのイメージは未だにこういった表現をされることが多いですね。

もちろん、それが日本文化であり、誇りにできるものではあると考えますが・・・。

このあたりは、東京オリンピック2020が近くなるにつれて、海外の方がより多く日本に入ってくるでしょうから、変わってくるかと思いますね。

レプリカントの想い

今作は”レプリカント”が反乱をおこすことからストーリーが動き出します。

反乱を起こすのは、単に故障したからではなく、”レプリカント”の感情に起因しています。

”レプリカント”は限りなく人間に近い存在を目指して作られた存在のため、動きや見た目だけでなく感情も持っています。

感情が人間のそれに近づけば近づくほど、自分の存在に疑問を持ち、不安定になっていきます。

その対策として”レプリカント”には4年の寿命が設定されているのです!

「使い物にならなくなる前に、死をー」ということですね。

そのため、奴隷のように働かされ、4年の寿命を迎える前に反乱を起こす”レプリカント”たちが現れるというストーリー展開です。

クライマックスで”レプリカント”のロイがデッカードに対して、

「そういった思い出も やがて消える 涙のように 雨のように その時が今 来た…」

と語るシーンは深く考えさせられます。

現在の社会に当てはめると”レプリカント”まではいかなくても、『感情に似せた反応』を人工知能に持たせることは可能になってきています。

ショッピングセンターなどの店舗の入り口でたまに見かけるようになった、ペッパー君には感情らしきものをプログラムして、それぞれの環境から学習する能力を持ち、個性と思われるものが現われております。

ただ、感情というのは人間でも、どうしてそのようなことが起こるのか解明されておりませんので、”レプリカント”が持つ感情に近い何かはどのようなものなのでしょうかね?

考えても答えはでませんが・・・。

ブレードランナー感想

SF映画につきものなロボット。

近年AIの発達も著しく、我々の身の周りにもロボットやAIが増えていますし、これからもっとその勢いは凄まじいものになることでしょう。

私はアイザック・アシモフの小説「我はロボット」を読んで、ロボットが人間を上回ったり、賢さゆえに問題を起こす日が来るのではなかろうか・・・。

とずっと考えていました。

だからこそ『ブレードランナー』で設定されている”レプリカント”の4年の寿命というのは実にうまいなあと思います。(原作は小説ですが)

そこから新たにおこるドラマッチックな展開もたまりません。

自分のこれまでのSF感が変わりました。

また、カルト映画らしい、どんよりとしたムードや奇抜な衣装やセットも最高です!

最後に、自分のAIについての考えを書いていきたいと思います。

AIとは違い、人間の『感情』とは凄くシンプルな神経の動きが大量に組み合わさって発生するようになっているとも考えられています。

そうなってくると、AIはデジタルのon/offの単純な処理を大量に組み合わせていくと、いずれ莫大な計算量になっていきます。

その処理をこなせるようになった時に、AIにも『感情』のようなものが生まれてくるのではないかと考えられます。

この、一定量を超えるとそれまでになかった性質が出てくるというのは『創発』と言われており、科学的にも研究されております。

現在のコンピューターが『創発』するまでには、計算量が足りないとされており、もっと莫大の計算量が必要なのかもしれません。

そして、それを凌駕するコンピューターが現われた時、人間から見ると『感情』を持ったように見えるロボットが誕生するのかもしれませんね。

それが誕生した時に、こういったSF映画を見て、当時の人間はこんなことを考えて未来をイメージしていたんだなぁと思うことでしょう。

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この記事を書いた人

ゆきちもの
アラフォー2児の父親です。
休日は「子どもと遊びor自分の野球」の
選択にいつも迷っております。
あとは、ゆっくり映画鑑賞したいと思う今日この頃・・・。